古希を迎え 人生の集大成として
とてつもなく大きいことに取り組みにはじめた
東北に東日本大震災への祈りの道を創ることだ
私は震源地に最も近い金華山で大震災に遭遇した
建物崩壊の危機 がけ崩れ最中の津波避難
さらには巨大津波の高台襲撃を受けながら
3度も命拾いした
天からか 大自然からか それはわからない
何か大きな存在によって 生かされたような気がした
「人のために役立て!」と ドンと背中を押された思いがした
だから被災地に足しげく出向いた
被災地の人々は手を合わせる場所がほしいと言う
亡くなった身内や知人を悼み自分自身も癒される
そんな祈りの場があるといいな、と語る
被災地以外の人びとも犠牲になられた方々に
祈りをささげに行きたいと言う
そんな願いに応えたいと思った
震災一年後には 小学四年の孫と二人で 四国八十八ヶ所を歩いた
東日本大震災の犠牲者を追悼しながら 孫や四国の人々に震災を伝えた
そんな経験から 震災犠牲者追悼の巡礼地を東北にも創ろう
これこそが自分に課せられた使命だと強く思った
財産、人生、歴史や文化まで 全てを破壊しつくした大地震と大津波
多くの人々に苦しみを与え 不安を抱かせ続ける放射能
悲しい記憶や大きな犠牲の中から生まれた
貴重な教訓を後世に伝えなければならない
今までの人生は これをやり遂げるための
基礎造りだったように思える
この歳になって自分の背中に
今までとは一味違った凛とした人生模様が 描き加えられたような気がする
みちのく巡礼は、東日本大震災犠牲者慰霊すると同時に、震災の教訓を永く後世に伝えることを大きな目的としています。
四国遍路では、地域住民などが巡礼者への慈悲として自然に生まれた習慣が、「お接待」という形で1200年という長い年月を経て引き継がれてきました。現代でもこのお接待の精神が、祈りの場である札所、地元住民、宿・産業・観光などに受け継がれ、これらが一体となって四国を訪れる人々を温かく迎え入れるというシステムを作り上げています。
東日本大震災を末永く後世に語り継いで行くには、四国遍路をモデルにした同じような体系や文化を作り上げてゆくことが有効な方法であると考え、みちのく巡礼では次の図のような体系づくりを目指してしています。
このような巡礼の体系と文化を東北の地に育てていくのには、相当な時間と多くの労力を必要とするに違いありませんが、札所会、地元の方々、地元行政・企業・観光のご協力をいただきながら、微力ながら努力して行きますのでよろしくお願いいたします。